ホームセンターで簡単に手に入る部材を用いてパイロットベアリングプーラーを製作し、クランクシャフト部分のベアリングを取り外します。その際、ベアリングを取り外しやすくするために、ベアリング取り付け部分をガスバーナーで加熱して膨張させます。
自作パイロットベアリングプーラー
(使用部材:ホームセンターで簡単に入手できるボルト、ナット、ワッシャー)
【使用エンジン】
ホンダ CRM250R(R)
使用する主なツール



使用する主な用品

メンテナンス手順
事前準備 : ベアリングに合った部材を用意する
取り外したいベアリングの内径や取り付け部分(今回はクランクケース)の形状を考慮して、ベアリグプーラーとして使用するボルトやナット、ワッシャーなどの部材を用意します。
その際、試行錯誤的に部材を選定することになります。よって、部材を用意する場合には数種類のボルトやナット、ワッシャーなどをあらかじめご用意されておくことをオススメいたします。
Step 1 : ベアリング取り付け部分をガスバーナーで過熱する
強い力で圧入されているベアリング(今回はクランクシャフト部分のベアリング)の場合、ベアリングプーラーだけでベアリングを引き抜くことは非常に困難です。よって、家庭用ガスボンベとガスバーナーを使用して、ベアリング取り付け部分を加熱することで膨張させ、ベアリングを取り外しやすくします。
ベアリングを引き抜きやすくするためには、ベアリング取り付け部分を百数十度まで過熱するのがいいと言われています。高温を測定できる温度計を持っていない場合は、ベアリング内のオイルが加熱されて白い湯気が出始めるまで加熱します。
なお、安全のため、ガスバーナーで過熱する前にキッチンペーパーなどで加熱部分の油分を取り除いておきます。
Step 2 : ベアリングに自作ベアリングプーラーを取り付ける
自作ベアリングプーラーを、取り外したいベアリング部分に取り付けます。加熱したベアリング取り付け部分が冷めないように、手早く作業を進めます。
なお、ベアリング取り付け部分(今回はクランクケース)は加熱して非常に熱くなっているため、くれぐれも火傷にはお気をつけ下さい。
Step 3 : 自作ベアリングプーラーでベアリングを引き抜く
自作ベアリングプーラー中心部分のボルトを少しずつ締め込んで、ベアリングを引き抜いていきます。
加熱不足の場合は、ボルトを締め込んでもベアリングがまったく動かずに、自作ベアリングプーラーが変形してしまいます。よって、自作ベアリングプーラーを締め込む際には、ベアリングが少しずつ外に出てきているかどうかを確認しながら作業を進めます。