パイロットベアリングプーラーセットでクランクケース内ベアリングを取り外す方法をご紹介します。まずベアリング内径に合ったアダプターを装着し、アダプターとベアリングプーラー本体を連結します。その後、ベアリングプーラーでベアリングを引き抜きます。
ストレート社製 パイロットベアリングプーラーセット 8~25(mm)
【使用エンジン】
ホンダ CRM250R(R)
使用する主なツール






メンテナンス手順
Step 1 : ベアリング内径に合ったアダプターを装着する
今回取り外したいボールベアリングの内径は17mmですので、パイロットベアリングプーラーセットの中から17mmのアダプター(参照:画像内右側の青色破線部分)を用います。
このアダプターの先端は少し広がっているため、このアダプターをベアリングに装着する際には、プラスチックハンマーなどでアダプターを少し叩いてベアリング内径部分に差し込みます。
その後、パイロットベアリングブーラー本体に装着されている突起物(参照:画像内左側の青色破線部分)を17mmアダプターの中央部分に装着し、この突起物を締め込むことで17mmアダプターの先端部分を広げ、ベアリングが抜けないようにします。
Step 2 : アダプターとベアリングプーラー本体を連結する
ベアリング内径部分に装着したアダプターとパイロットベアリングプーラー本体を連結します。その際に、アダプターとパイロットベアリングプーラー本体が一直線上に連結されるように、パイロットベアリングプーラー本体下に高さ調整用ナットや段ボールなどを敷いて高さを調整します。
Step 3 : ベアリングプーラーでベアリングを引き抜く
パイロットベアリングプーラー本体上部の六角ボルトを反時計方向に回して、ベアリングを少しずつ引き抜きます。
ベアリングが強く圧入されている場合、ベアリングが引き抜けずに、17mmアダプターの先端部分がベアリング内径部分から外れてしまうことがよくあります。よって、ベアリングを引き抜く際には、17mmアダプターの先端部分がベアリング内径部分にしっかりと引っかかっていることを確認しながら作業を進めます。
ベアリングを引き抜くことができた後は、17mmアダプターの中心部分に装着した突起物を緩めてベアリングとアダプターを分離します。