
「ツーリングはすごく楽しいけど、ツーリング先でトラブルが生じたらどうしよう?」と不安に感じることはありませんか?
そのような心配を少しでも軽減するために、ツーリングの際にはツールや応急処置用品を持って行かなきゃ... とは思うものの、どのようなモノを持参すればいいのか悩むことが多いかと思います。そこで今回は、ツーリング時に持参するツールや応急処置用品などの選定方法をご紹介いたします。
選定ポイント1:自分の技術力に合ったツールや用品を持参する
持参するツールや用品を選定する上で最も重要なことは、バイクを修理するための自分の技術力を把握し、適切なツールや用品を選定することです。使用できないツールや用品を持参したところで、ツーリング先でトラブル対応できないですからね。 ^^;
よって、雑誌や他のWebサイトで紹介されているツーリング時の持参物リストを参考にする場合は、その持参物リストを作成した方がどのような技術レベルのライダーを対象にしているのかを確認されることをオススメいたします。
また、ツールメーカーが販売しているツーリング用ツールセットを購入検討されている場合は、自分がよく使用するツールで構成されているツールセットを選択されることをオススメします。自分が一回も使用したことがないツールが沢山入っているのであれば、必要以上のツールで構成されているツールセット、つまり高いし重いしかさばるツールセットであると判断できるかと思います。
選定ポイント2:ツーリング先で発生しやすいトラブルを理解する
バイクのトラブルは様々ですが、ツーリング時に発生しやすいトラブルには傾向があります。例えば、パンクやチェーンが外れたなどのトラブルはよく発生しますが、キャブレター内のガソリンが腐ってしまいエンジンがかからないなどのトラブルはほぼ発生しません。(そもそも、このような状態ではツーリングに出かけることができませんからね。^^; )
私のバイク生活24年間で経験したトラブルより、ツーリング時に発生しやすいと思われるトラブルは以下の通りです。
走行できなくなるトラブル
- バンクした
- エンジンがかからなくなった
- エンジンがオーバーヒートした
- 冷却水が漏れ出した
- クラッチが切れなくなった
- クラッチが繋がらなくなった
- アクセルスロットが戻らなくなった
- ブレーキが効かなくなった
- ギヤが変速できなくなった
・燃料がなくなった(ガス欠)
・プラグが被った
・水没した(注意:オフロードバイクで水没した場合を想定)
・エンジンが焼き付きた
・冷却水がなくなった
・ラジエーターホースがひび割れた
・クラッチワイヤーが切れた
・発熱によりクラッチの遊び量が変化した
・クラッチプレートが消耗した
・アクセルワイヤーが切れた
・アクセルスロットルが引っかかった
・ブレーキオイルが漏れ出した
・ペーパーロック現象が生じた
・シフトレバーが折れた/なくなった
走行時の安全に関わるトラブル
- ウインカーカバーが割れた
- ウインカーステーが折れた
- ウインカーが点灯しなくなった
- ヘッドライトが点灯しなくなった
- ミラーが破損した
- ナンバープレートベースが外れた
ライダーの体に関わるトラブル
- 転んで擦り傷ができた
- 転んで打撲した
- 転んで骨折した
選定ポイント3:自分で対応するトラブルを想定して持参するモノを決める
想定されるトラブルと自分の技術力を基に、ツーリング時に自分で対応するトラブルを大まかに決めます。例えば、ガス欠になっても自分で対応できるように携行缶は持参するけど、エンジンがかからなくなったらJAFのロードサービスを使用するなどです。
持参するツールと緊急処置用品:対応レベル1
【対象者】
バイクのメンテナンスをほとんど行ったことがなく、なおかつ所有しているツールは車載工具程度の方を対象としています。
【ツール】
車載工具(もしくは同等品)
【応急処置用品】





※ 携行缶は必要に応じて持参してください。ガス欠を心配しなくていもいいツーリングの場合は必要ありません。
【このツールと応急処置用品で対応できるトラブル】
- 燃料がなくなった(ガス欠)
- 発熱によりクラッチの遊び量が変化した
- ペーパーロック現象が生じた
- ウインカーカバーが割れた
- ウインカーステーが折れた
- ナンバープレートベースが外れた
- 転んで擦り傷ができた
※ 上記トラブル対応のためのツール及び応急処置用品の使い方は「#01 ツーリング時のトラブル対応方法と持参品 レベル1編」をご覧ください。
持参するツールと緊急処置用品:対応レベル2
【対象者】
バイクのメンテナンス方法(例えば、ハンドル交換、エンジンオイル交換、エアクリーナー洗浄など)を少しずつマスターしつつある方で、なおかつ車載工具以外のツール(例えば、ソケットレンチ、ラチェットハンドル、めがねレンチ(ボックスレンチ)など)も少しずつ所有し始めた方を対象としています。
【ツール】
※ 対応レベル1のツールの他に下記ツールも持参。




【応急処置用品・パーツ】
※ 対応レベル1の応急処置用品の他に下記用品も持参。


【このツールと応急処置用品で対応できるトラブル】
- プラグが被った
- アクセルスロットルが引っかかった
- 冷却水がなくなった
- ブレーキオイルが漏れ出した
※ 上記トラブル対応のためのツール及び応急処置用品の使い方は「#02 ツーリング時のトラブル対応方法と持参品 レベル2編」をご覧ください。
持参するツールと緊急処置用品:対応レベル3
【対象者】
この記事は大部分のバイクメンテナンス(ホイールベアリング交換、キャブレターのオーバーホール、エンジンピストン交換など)を自分で行っている方を対象としています。
【ツール】
※ 対応レベル1, 2のツールの他に下記ツールも持参。




【応急処置用品・パーツ】
※ 対応レベル1, 2の応急処置用品の他に下記用品も持参。






【このツールと応急処置用品で対応できるトラブル】
- バンクした
- 水没した(注意:オフロードバイクで水没した場合を想定)
- クラッチワイヤーが切れた(注意:ニップル(タイコ)部分が切断した場合を想定)
- アクセルワイヤーが切れた(注意:ニップル(タイコ)部分が切断した場合を想定)
- ウインカーが点灯しなくなった
- ヘッドライトが点灯しなくなった
- チェーンが外れた
- チェーンが切れた
- ラジエーターホースがひび割れた
- ギヤが変速できなくなった(注意:シフトレバーが折れた/なくなった場合を想定)
※上記トラブル対応のためのツール及び応急処置用品の使い方は「#03 ツーリング時のトラブル対応方法と持参品 レベル3編」をご覧ください。
ツーリング先で自分で対応しないトラブル
対応レベル1, 2, 3に入っていない以下のようなトラブルの場合は、ツーリング先で自分でトラブル対応するのではなくJAFのロードサービスを活用するなど、あらかじめ決めておくことでトラブル発生時に慌てることがないかと思います。
なお、以下の未対応トラブルは自分の技術レベルや持参しているツールや応急処置用品に依存いたします。
- エンジンがかからなくなった(注意:エンジンが焼き付きた場合を想定)
- クラッチが繋がらなくなった(注意:クラッチプレートが消耗した場合を想定)
- ミラーが破損した
- 転んで打撲した
- 転んで骨折した
レベル別のトラブル対応方法と持参品
それぞれの対応レベルごとに、ツーリング時のトラブル対応方法と持参品について下記記事にて詳しく説明しております。是非ともご覧ください。