ツーリング時のトラブル対応のため、ツールと応急処置用品を持参したいが何を持って行けばいいのか悩むことはありませんか? 今回は、バイクのメンテナンス初心者がツーリング時に持参した方がいいツールと応急処置用品をご紹介します。
ツーリング時の持参品を選定する際のポイントは、バイクメンテナンスに関する自分の技術レベルに合ったツールや応急処置用品を選定することです。自分の技術レベルを知りたい方は「ツーリング時にこれだけは持参したいツールと用品の選定方法」記事を事前にご覧ください。
この記事の閲覧対象者
この記事はバイクのメンテナンスをほとんど行ったことがなく、なおかつ所有しているツールは車載工具程度の方を対象としています。
この記事で説明しているトラブル対応方法よりもっと高度なメンテナンスができる方は「#02 ツーリング時のトラブル対応方法と持参品 レベル2編」記事や「#03 ツーリング時のトラブル対応方法と持参品 レベル3編」記事をご覧ください。
自分で対応するトラブルと必要なツール及び応急処置用品
自分で対応するトラブルとして以下のようなトラブルを想定することで、持参した方がいいツールと応急処置用品を適切に選定することができます。
想定トラブル:燃料がなくなった(ガス欠)
【トラブル対応方法】
持参している携行缶で給油する。
【必要な応急処置用品】

想定トラブル:クラッチが繋がらなくなった
【考えられる原因】
発熱によりクラッチの遊び量が変化した。
【トラブル対応方法】
車載工具でクラッチワイヤーを調整する。
クラッチワイヤーを調整する方法は二種類あります。一つ目は、クラッチレバー付近のクラッチケーブル端にあるダイアルを調整する方法です。ツールを使用する必要はありません。二つ目は、クランクケース付近のクラッチケーブル端にあるロックナットをスパナ(オープンレンチ)2本を使用して調整する方法です。なお、使用するスパナのサイズは、ご自身のバイクに応じたサイズを選択してください。
【必要なツール】
車載工具のスパナ2本
想定トラブル:ブレーキが効かなくなった
【考えられる原因】
ペーパーロック現象が生じた。
下り坂などでブレーキの使い過ぎると、ブーレーキが急に効かなくなるペーパーロック現象が生じることがあります。この現象は、ブレーキオイルが高温になりすぎて気泡が発生したり、ブレーキパッド表面が材質変化することにより生じます。ブレーキオイルから気泡が発生してしまうと、ブレーキレバーを握っても力がブレーキキャリパー内やブレーキオイル内の気泡に吸収されてしまうため(気泡が潰れるだけで圧力が伝わらないため)ブレーキが効かなくなります。
【トラブル対応方法】
ブレーキパッドやブレーキオイルが冷えるまで待つ(ツールは使用せずに対応)。
その後、ブレーキキャリパーやブレーキホースをスパナ(オープンレンチ)などで叩いて、ブレーキオイル内に発生した気泡をブレーキマスターシリンダー内に追いやります。ただし、この方法ではブレーキオイル内に気泡が完全に抜けることはほとんどないため、やらないよりもマシ程度とお考えください。
なお、ブレーキオイル内に気泡が入り込んだ場合、通常はブレーキオイルをすべて入れ替えることで気泡を取り除きます。
【必要なツール】
車載工具のスパナ(オープンレンチ)など
想定トラブル:ウインカーステーが折れた
【考えられる原因】
転倒した、エンジンの振動による破損。
【トラブル対応方法】
万能粘着テープ(ダクトテープ)で折れたステーを固定する。
【必要な応急処置用品】

想定トラブル:ナンバープレートベースが外れた
【考えられる原因】
転倒した、エンジンの振動による破損。
【トラブル対応方法】
ワイヤーやタイラップで外れたナンバープレートベースを固定する。
【必要な応急処置用品】


想定トラブル:転んで擦り傷ができた
【必要な応急処置用品】

持参した方がいいツール及び応急処置用品(まとめ)
【必要なツール】
車載工具(もしくは同等品)
※ 車載工具を使用する頻度が多くなってくると、車載工具の質が気になってくるかと思います。一般的に、車載工具は質よりもコストを重視しています。よって、車載工具の質では不十分だと感じる方は、車載工具と同様(例えば、12mmと10mmのスパナ)でなおかつ質の高いツールに入れ替えることをオススメします。
【必要な応急処置用品】





関連ページ
ツーリング時にこれだけは持参したいツールと用品の選定方法
#02 ツーリング時のトラブル対応方法と持参品 レベル2編
#03 ツーリング時のトラブル対応方法と持参品 レベル3編