フロントフォーク内にまず規定値量半分のフォークオイルを注入し、スライドパイプを伸縮させて空気を抜きます。その後、フォーク内に規定値量残り半分のフォークオイルを注入し、フォークダンパーとスライドパイプを伸縮させて再度空気を抜きます。
CRM250R(R)のサービスマニュアルにおいて、フロントフォークの油面測定を行う場合はエア抜きしたフロントフォークを5分間以上放置して実施することが記されています。その理由は、油面を安定させた後で油面を計るためです。オイルを注入した直後はオイル内に多くの気泡が含まれているため、油面を正確に測定することはできません。
【今回使用したパーツの型番】
フロントフォークオイル:ホンダ純正 ウルトラ 10号(HONDA ULTRA CUSHION OIL SAE 10W)
【使用バイク】
ホンダ CRM250R(R)
使用する主な用品

メンテナンス手順
Step 1 : フロントフォークのセンターボルトを取り付ける
フロント−フォクのセンターボルトを取り付ける前に、センターボルトの減衰力調整機構を最もソフト側に、つまりセンターボルトのセンターピンが一番短くなる状態にします。その理由は、このセンターピンが一番長い状態で組み付けると、このセンターピンを壊す可能性があるからです。
シーリングワッシャーは新品を使用します。これまでの作業にて、シーリングワッシャーとスライドパイプの接触面が平らになるように耐水ペーパーにて研磨しております。
Step 2 : フロントフォークオイルを注入する
フロントフォークオイルをフロントフォーク内に注入する際には、メスシリンダーを使用して正確に注入量を測定します。それぞれのバイクにはフロントフォークオイルの注入量が規定されていますので、通常はこの既定値の通りに注入します。参考までに、CRM250R(R)のサービスマニュアルで規定されているフロントフォークオイル量は700mlです。
フロントフォークオイルを注入する際には一度に規定量を注入するのではなく、まずは規定量の半分だけ注入し、フロントフォーク内の空気を抜く作業を行います。
Step 3 : フロントフォーク内の空気を抜き取る
フロントフォーク内に規定量の半分だけフロントフォークオイルを注入し、倒立フォークの場合はアウターチューブを引き伸ばした状態で手で入り口を塞ぎ、フロントフォーク内に圧力をかけながらアウターチューブを縮めていきます。この圧力によって、フロントフォーク内の各部にフロントフォークオイルが入り込んでいきます。
この作業を10回程度繰り返し、残り半分のフロントフォークオイルを注入します。この状態でフォークダンパーを10回程度伸び縮みさせます。その後、アウターチューブを再度10回程度伸び縮みさせます。この一連の作業によって、フロントフォーク内の各部に入り込んでいた空気(エアー)を抜くことが出来ます。
空気を抜く作業が終わったら、フロントフォークオイルの油面を落ち着かせるために、5分以上放置します。
関連動画
フロントフォークの油面測定方法を詳しく知りたい方は、「#01 フロントフォーク油面調整ツールの使い方 | 特殊工具(SST)の使い方・選び方」をご参照ください。