今回は、オークションで入手したHONDA CRM250Rの中古エンジンを分解し、劣化や破損しているパーツを修理もしくは交換した上で、再度組み上げる作業をご紹介します。

現在(2015年時点)、1990年代に発売されたバイクの純正パーツはすでに入手困難もしくは入手できない状態になっておりますので、このCRM250Rをオーバーホールするための一部の純正パーツが入手できないことが十分に考えられます。よって、その場合は流用可能な他車種のパーツを用いる予定です。
なお、動画を撮影しながら作業を行うと通常よりも10倍以上時間がかかってしまうので、作業記録用として画像のみ撮影し、画像と文章にて2ストロークエンジンをオーバーホールする際のポイントを解説いたします。ビギナー向け解説動画が一通り揃ってから、エンジンのオーバーホール方法についても後日動画でご紹介したいと考えております。
使用する主なツール
使用する主な用品
連載動画・記事
CRM250Rのエンジンがくたびれてきたため、以オークションで入手していた中古エンジンをオーバーホールして載せ替えることにしました。まずは、シリンダーヘッドとピストンの取り外します。その後、SST(特殊工具)を使ってパーツを取り外します。
今回の作業では、CRM250R用中古エンジンのクラッチ アウターを取り外した後、クランクケース セパレーターというツールを使用してクランクケースを分割しました。
CRM250Rは古いバイクのため、新品のクランクケースが入手できるかどうか微妙です。よって、クランクケース内ベアリングを取り外す際には、ベアリング装着部分にダメージを与えないように、ベアリングのサイズや種類に応じて3種類の方法を用います。
クランクケースに張り付いているガスケットをスクレーパーで剥がしていきます。刃幅が狭いスクレパーでガスケットを剥がしたところ、スクレーパーの刃先に力がダイレクトに伝わる感じがして操作しやすいですね。
CRM250Rのクランクケースに固着しているスタッドボルトを取り外します。スタッドボルトはボルトを回す部分が付いていない棒状のボルトですので、ナットを2つ用いて(ダブルナットで)ボルトを回す部分を作った上で取り外します。
クランクケース内から出てきた金属の破片、クランクケースとベアリングにある引っかきキズ… これらの状況から推測すると、中古エンジンは以前エンジンブローした事があり、ブローによって生じた金属片がクランクケースの奥に入り込んだと予想されます。
クランクケースを分割したので、再利用しない方がいいオイルシールやベアリングなどの状態を確認します。また、再利用するために加工が必要なエンジン シリンダーやピストン、ギヤシフトフォーク、ステーター(発電するためのコイル)の状態を確認します。
CRM250Rのクランクケース内部パーツを調べたところ、状態がよく交換や加工を必要としないパーツもありました。よって、それらのパーツを選定するとともに、各パーツのどの部分について状態を確認すればよいのかをご紹介いたします。
1機目中古エンジンはブローした形跡があり、トランスミッションが破損していました。新品パーツは数万円かかるため、部品取りのための2機目中古エンジンをオークションで入手しました。今回はこのエンジンの腰上部分について、状態を確認していきます。
部品取りのためCRM250R(R)の2機目中古エンジンを入手しましたので、エンジン腰下部分のステーター(発電用コイル)・ウォーターポンプ・クラッチアウター・クランクシャフト・トランスミッションなどのパーツについて状態を確認していきます。
権藤 晃 2015年7月17日
HONDA CRM250R用2ストエンジンのオーバーホール