CRM250Rのクランクケースに固着しているスタッドボルトを取り外します。スタッドボルトはボルトを回す部分が付いていない棒状のボルトですので、ナットを2つ用いて(ダブルナットで)ボルトを回す部分を作った上で取り外します。
使用する主なツール


使用する主な用品

メンテナンス手順
Step 1 : 浸透潤滑剤をネジ山に浸透させる
今回取り外すスタッドボルトは、シリンダーヘッドとクランクケースを接続するために使用されています。この部分はエンジンの発熱による加熱とエンジンを切った後の冷却が繰り返されることで固着しやすいため、このスタットボルトはスムーズに取り外せないことが多々あります。
よって、このスタッドボルトを取り外す作業を行う前に、スタッドボルト取り付け部分に浸透力の高い浸透潤滑剤を噴きかけて、浸透潤滑剤をネジ山に浸透させるために30分程度放置します。オススメの浸透潤滑剤は、WAKO’S(ワコーズ)のラスペネです。
(写真注釈:一本目のスタッドボルトを取り外す前にラスペネを吹き付ける写真を撮影していなかったため、二本目のスタッドボルトにラスペネを吹き付けている写真を用いています。)
ラスペネは高価ですが、固着したボルトが緩む可能性が高くなるという圧倒的な利点があります。ホームセンターなどで簡単に手に入る安価なKURE 5-56で緩まないボルトの場合、ラスペネを使って再度試してみる価値はあると思います。
Step 2 : ダブルナットを用いてスタッドボルトを取り外す
クランクケースのスタッドボルトが固着している場合は、力を伝えにくいスパナでダブルナット部分を回そうとしても緩まないことがほとんどです。
よって、めがねレンチを使用するためにダブルナット部分の下のボルトを装着する前に、めがねレンチをスタッドボルト部分に通しておき、それから2つのナットを取り付けます。
浸透潤滑剤が適切にスタッドボルトのネジ山に浸透して、なおかつめがねレンチが適切に装着できたことを確認します。その後、自分の体重をめがねレンチに掛けながら回すことで、固着しているスタッドボルトを緩めることが出来ます。
次回の作業では、クランクケース内の各パーツの状態を確認します。