AMA モトクロスチーム「Troy Lee Designs」のメカニックであるJordan Troxell氏が、サスペンション リンケージ部分の清掃とグリス塗布方法を解説した英語動画です。この動画を基に、日本語にて作業概要をご説明いたします。
How To Clean and Grease Suspension Linkage
【メカニック(解説者)】
Jordan Troxell (所属チーム:Troy Lee Designs / Lucas Oil / Honda)
【担当ライダー】
Tarah Gleger / Jessy Nelson
【使用バイク】
HONDA CRF250R
※ 以下のボックス内文章は、引用動画にて説明されている内容を日本語意訳した文章です。
使用する主なツール





使用する主な用品



メンテナンス手順
作業概要
新車に乗り始める際に注意すべきことは、リンケージのベアリングにはグリースが塗られていますが、比較的早くグリスがなくなってしまうということです。ケアを怠ると、20〜30時間程度の走行でベアリングを交換せざるを得ないこともあります。
この動画での「新車」とは、競技専用のモトクロッサーを前提として説明されています。公道走行を前提としたナンバー付きバイクのメンテナンスサイクル(メンテナンスを実施する目安となる走行距離)は、競技専用車よりもかなり長く設計されています。
また、この動画での「ケア」とは、納車後に実施するリンケージ部分のベアリングに対するグリース塗布作業などです。
Step 1 : クッション アーム後部のボルトを取り外す
Step 2 : クッション アーム前部のボルトを取り外す
Step 3 : クッション コネクティング ロッドを取り外す
「クッション コネクティング ロッド」という名称は、メーカーやバイク車種によって異なることがあります。本名称は、HONDA CRF250R(2015年式)のパーツリストに記載されいてる名称を参考にしております。
Step 4 : クッション アームを取り外す
Step 5 : クッション アーム部分のカラーを取り除く
マイナスドライバーを使用して、クッション アーム部分に取り付けられているカバーを取り除き、中のカラー(円筒のパーツ)を取り出します。
Step 6 : オイルシール部分の古いグリスを取り除く
Step 7 : ペーパーでベアリング内のグリスを拭き取る
この作業で使用するペーパーは、キッチンペーパーを使用すると作業しやすいかと思います。キッチンペーパーをベアリング内部に押し込み回しながら、ベアリング内部の古いグリスを拭き取ります。
Step 8 : ベアリング内に新たしいグリースを塗る
Step 9 : カラーを取り付ける
Step 10 : すべてのベアリングに対してグリースを入れ替える
Step 11 : ボルトにスレッドコンパウンドを塗る
ここでの「リンケージ」とは、クッション アームとクッション コネクティング ロッドを総称していると思われます。なお、ボルトにスレッドコンパウンドを塗ると、ボルトが固着しにくくなります。