チェーンの遊びを調整してリヤホイールアクスルを締め込む際に、チェーンが張っていないと遊び量がずれることがあります。これを防止するために、ドライバーなどの棒をチェーンとリヤスプロケットの間に挟んだ上でリヤホイールアクスルを締め込みます。
ホンダ CRM250R(R)
使用する主なツール





メンテナンス手順
Step 1 : チェーン遊び量の規定値を調べる
チェーンの遊び量(緩み具合)はバイクごとに異なりますので、チェーンの張りを調整する前にサービスマニュアルにて規定されているチェーンの遊び量を調べます。例えば、CRM250R(R)の場合はサービスマニュアルに「チェーンの緩み:サイドスタンド使用時、前後スプロケットの中央で最大振幅 30-40mm」と記載されています。
オフロードバイクの場合はリヤサスペンションのストローク量(動く距離)がオンロードバイクよりも大きいため、一般的にはチェーン遊び量の規定値がオンロードバイクよりも大きく設定されています。
Step 2 : チェーンアジャスターの値を左右一致させる
メジャー(コンベックス)を使用して、前後スプロケットの中央部分でチェーンの遊び量(緩み具合)を調整します。チェーンに触らない状態からチェーンを上部に引き上げた際に移動する距離が遊び量です。
チェーンの遊び量を調整する際には、チェーンアジャスターの値を左右一致させる必要があります。左右の値が異なる場合は、バイク車体に対してリヤタイヤが斜めに取り付けられますので走行時の抵抗が増えるとともに、スプロケットやチェーン、タイヤに余計な負担がかかりそれらの寿命が短くなってしまいます。
Step 3 : リヤホイールアクスルを締め込む
チェーンがたるんだ(緩んでいる)状態でチェーンの張りを調整しリアホイールアクスルを締め込むと、締め込む際にチェーンの遊び調整量が変化してしまう場合があります。よって、遊び調整量が変化するのを防止するために、遊び量を調整し終わった時点でドライバーをチェーンとスプロケットの間に入れてチェーンにテンション(張力)をかけリヤホイールアクスルを締め込みます。
リヤホイールアクスルを締め込んだ後は、リヤタイヤを浮かせてチェーンが滑らかに回っていることと、ドライブ(フロント)スプロケットとドリブン(リヤ)スプロケットとチェーンのラインが一直線になっていることを確認します。もし一直線になっていない場合は、チェーンの遊び量を調整する作業をやり直します。
スプロケットとチェーンのラインが一直線になっていない原因として、チェーンの遊び量を調整するためのチェーンアジャスター(調整機構)の値が左右一致していない可能性があります。よって、スプロケットとチェーンのラインが一直線になっていない場合、まずはこの値をご確認ください。