左右のブレーキパッドをブレーキキャリパー内にはめ込んだ後に、ブレーキパッドを固定するためのハンガーピンとピンプラグを取り付けます。その後、事故防止のためにブレーキを何度もかけてブレーキディスクとブレーキパッドの間隔を狭めておきます。
ホンダ CRM250R(R)
使用する主なツール




※ T型ハンドルもしくはラチェットハンドルのいづれかをご用意ください。
使用する主な用品



メンテナンス手順
Step 1 : ブレーキパッド裏側に耐熱グリースを塗る
ブレーキをかけた際にブレーキが鳴く(キーっという音がする)ことを防ぐために、レーキパッド裏側のキャリパーピストンが当たる部分(丸く模様が付いている部分)に薄く耐熱グリースを塗ります。片押し式ブレーキキャリパーの場合は、もう片方のブレーキパッドはブレーキキャリパー本体で押されますので、ブレーキパッド裏側とブレーキキャリパー本体と触れる部分にも薄く耐熱グリースを塗ります。
Step 2 : ハンガーピンとピンプラグを取り付ける
ブレーキパッドを固定するためのハンガーピンとハンガーピンを保護するためのピンプラグ(盖)は、ブレーキキャリパーから伝わってくる摩擦熱や泥水などによって固着しやすいパーツです。これらのパーツが固着すると取り外しが非常に大変なため、固着防止のためにハンガーピンとピンプラグのねじ山にスレッドコンパウンドを薄く塗ります。
その後、左右のブレーキパッドをブレーキキャリパー内にはめ込み、耐熱グリースとスレッドコンパウンドを塗ったハンガーピンを取り付けます。
最後に、スレッドコンパウンドを塗ったピンプラグを取り付けます。
Step 3 : すぐにブレーキが利く状態にする
ブレーキパッドを取り付ける際に、キャリパーピストンが内部に押し込まれることでブレーキディスクとブレーキパッドの間隔が大きくなる(数mm空いてしまう)ことがあります。もしこのような状態になったままバイクを発進させてブレーキをかけると、ブレーキがほとんど利かない可能性があります。
その理由は、ブレーキディスクとブレーキパッドの間隔が大きすぎるため、ブレーキをかけてもブレーキパッドがほんの僅かに押し出されはするものの、ブレーキディスクを挟む所までは移動しないことがあるからです。
このようなことから、ブレーキパッドやブレーキオイルを交換した際には、バイクを発進させる前に必ずブレーキを何度もかけてブレーキディスクとブレーキパッドの間隔を狭めておきます。なお、ブレーキディスクとブレーキパッドの間隔が大きすぎる場合は、ブレーキをかけてもフカフカした感じですが(手応えがないのですが)、ブレーキパッドの間隔が狭まった後はフカフカした感じがなくなります。