ブレーキパッド残量が少なかったりブレーキパッドの減りが左右で異なる場合はブレーキの利きが悪化するため、ノギスでブレーキパッド残量を測定します。また、ブレーキディスクとブレーキパッドにオイルが付着しても利きが悪化するため、これらを洗浄します。
ホンダ CRM250R(R)
使用する主なツール





※ T型ハンドルもしくはラチェットハンドルのいづれかをご用意ください。
使用する主な用品


メンテナンス手順
Step 1 : ノギスでブレーキパッドの残量を測定する
ブレーキパッドは、金属製の土台部分とブレーキディスクと直接触れて摩耗する部分の2層で構成されています。ブレーキをかけると比較的柔らかい素材の摩耗する部分がブレーキディスクに接触し、摩擦力が生じることで減速することができます。
サービスマニュアルや整備解説書においてよく「ブレーキパッドの残量を点検する」と記載されていますが、その意味は「ブレーキディスクと直接触れて摩耗する部分の厚みを点検する」ということです。よって、ここではノギスで摩耗する部分の厚みを測定します。
その際、ブレーキパッドの残量(摩耗する部分の厚み)が2, 3mm以下の場合は残量がかなり少なくなっているため、すぐに交換することをオススメします。なお、残量が2, 3mm以下になるとブレーキディスクと直接触れて摩耗する部分が摩擦熱で硬化してしまい、ブレーキの利きが悪化することがあります。
また、ブレーキパッドの残量は十分に残っている(残量が3mm以上)にも関わらず、左右のブレーキパッドの残量が異なる場合(例えば右側の残量が3mm、左側の残量が10mmなど)は、明らかに異常です。よって、このような症状が発生している場合は、ブレーキキャリパーをオーバーホール(分解、洗浄、組立)されることをオススメいたします。
Step 2 : ブレーキパッドを取り外す
Step 3 : ブレーキディスクとブレーキパッドを洗浄する
ブレーキディスクとブレーキパッドにオイルが付着していると、ブレーキの利きが著しく悪化します。よって、ここではこれらを洗浄し、ブレーキの利きが改善するのかを調べています。
ブレーキディスクとブレーキパッドを洗浄するために、ブレーキクリーナー(パーツクリーナーでも代用可)とキッチンペーパーを使用します。ブレーキディスクの洗浄方法は、ブレーキクリーナーを吹きかけた後にキッチンペーパーで拭き取っていきます。
ブレーキクリーナーは油分を洗い落とす効果が高いため、もしグリスを塗っている場所にブレーキクリーナーを吹きかけると、グリスが溶けて流れてしまいます。また、ブレーキクリーナーをゴム製品(例えば、オーリングなど)に吹きかけるとゴムを劣化させてしまいます。よって、ブレーキクリーナーを吹きかける際には、付近のパーツに飛び散らないように、気をつけながら吹きかけます。